鶴千代クラブ学習会 第21回「蒲生家と近江商人」

6月1日(日)、今年度の1回目となる鶴千代クラブ第21回学習会が綿向神社前の近江日野商人ふるさと館「山中正吉邸」で開かれました。

例年、年度初めは「氏郷さんを知ろう」のシリーズで、今回はその5回目、テーマは「蒲生家と近江商人」です。

講師は、日野町教育委員会歴史文化財担当課長、近江日野商人ふるさと館 館長の岡井健司先生にお願いしました。

はじめに、「江戸時代の商業をリードした近江商人」「日野商人の商法と理念」という内容でのお話がありました。

この中で、近江商人が「のこぎり商い」と呼ばれる手法で遠隔地まで出むいて商売を行い、当時の日本に物流革命をおこすという画期的な商いを行っていた人々であったということを学びました。

そして何より、「陰徳善事(いんとくぜんじ)」という言葉に代表される日野商人の商業哲学に参加者一同心を打たれました。

「三方よし」の考え方の中に「世間よし」がありますが、社会に対する善行を行うこと、それも、陰にかくれてそっと人のためになることを行う。それこそが繁栄の基になるという今の経営理念にも影響をあたえる哲学を私たちの祖先が明確にもっていたことはすばらしいことだと思いました。

次に、時代をさかのぼり、「室町時代の近江と伊勢の商業のようす」から「蒲生家の商業政策」に話が進みました。

今につながる東海道(国道1号線)、中山道(国道8号線)だけでなく、鈴鹿の山を越える街道により、近江と伊勢にさまざまな物品を運ぶ交流があったこと、そして蒲生家が婚姻関係などを通して伊勢方面の有力者との関係を築いていたことなどを学びました。

文:若林正秀  編集:吉岡

講師 

近江日野商人ふるさと館 館長の岡井健司先生

「山中正吉邸」のお座敷での講義

中世湖東地方の道路事情

八風越、千種越、大河原越、伊勢大道(御代参街道)

高額な通行料や各地の戦を避けるため険峻な峠道が利用されました。

蒲生氏統治時代の商業政策

座商人 

五箇商人、四本商人、足子商人の分布

近江商人の経営理念

「三方よし」~売り手よし、買い手よし、世間よし~

江戸時代の日野城下町

近江商人は関東に多く出店しました。

日野商人の商業哲学「隠徳善事(いんとくぜんじ)」

社会に対する善行を行うこと、それも、陰にかくれてそっと人のためになることを行う。

岡井先生の講義が聞けるということで一般の方にもご参加いただきました。

テキスト(一部)

蒲生氏郷公顕彰会 日野

滋賀県蒲生郡日野町で活動している顕彰会のホームページです。

0コメント

  • 1000 / 1000